良く頂くご質問

鍼治療は痛くないですか?

針というと、縫い針や注射針を連想する方がいらっしゃいます。そして自分の身体にさしてしまった経験や注射の経験を連想すると、“痛い”“怖い”と思われますが、実際は髪の毛(0.1mm程度)とほぼ変わらないくらいの針を使用しております。注射針(皮下注射:約0.5mm程度、採血用:0.7mm)ほど太くなく、中はパイプのように管状ではありません。

当治療室では患者様の体格・部位・症状等を考慮し、髪の毛と同程度の細い針(0.12mm)から、ちょっと太い針(0.25mm)の中から選定して施術をしていきます。また鍼治療で使用する針の先端(針尖)も特殊な形・角度をしております。痛みに対して過敏な方は、少し“チクッ”と感じることがありますが、私自身も刺入に対して、工夫しながら実施しておりますし、鍼のメーカーもいろいろと工夫しております。

その中でもたまたま「痛覚点」と呼ばれる痛みを感じ取る感覚受容器のポイントに刺入してしまう場合があります。目で見ることはできず、感じ取ることもできないため、対応ができないためご理解・ご了承ください。

深部に刺入していく中で、“ズーン”と重い感じになることがあります。これは痛みとは異なり、「特気」という鍼灸治療の現象です。ご心配なさらないでください。
また針治療の中には何種類か刺さない針があります。皮膚を刺激する「接触針」といわれ、大人よりも感受性の強い赤ちゃんや子供の治療によく使われます。

鍼をすると、出血はしませんか?

前述したように、鍼が非常に細いため、出血は起こしにくいです。ですが稀に皮下にある細い静脈に刺さってしまい、内出血をしてしまうことがあります。特に問題はありません。1〜2週間程度で消失いたします。(特にワーファリン等の血液をさらさらにする薬を服用されている方は、内出血になりやすく消えにくいです。)

特に女性の方や目に映りやすい箇所の場合に症状がある方はご確認ください。

灸は熱くないですか?

「お灸を据える」という言葉から、悪いことをしたときに、お説教を受けながら灸を据えられているイメージを持たれ、熱くてつらいものを連想されます方がいらっしゃると思います。これは身体に直に艾(もぐさ)をのせて点火をする直接灸という方法です。

実際の施術方法による直接灸の一般的なお灸の大きさは、生の米粒の半分の大きさで、一つのツボに何壮か据えていきます。私が感じた印象として、“熱い”というよりも“チクッと痛い”といったものです。艾が燃え尽きる際に、艾の周りを指や竹筒で圧迫することで感じづらくさせます。何壮か据えていくうちに熱さに身体がなれてしまう場合があります。心地いいくらいの熱さで据えていくのが灸の施術を受けるポイントです。

症状や体質によると進行の度合いにより、灸の熱さを感じづらくなります。症状が良くなってくると逆に感じやすくなります。身体の調子に神経の働きが関係して、感じ方に関与されているからです。また身体に大きな変化が生じた場合、上記と逆な状況が出てくることもあります。

灸は我慢した方がいいですか?

灸の名人が「灸は皮膚を焼くにあらず、心に灯りをともすなり。」というお言葉があり、効きそうだからと言う理由で熱さを我慢なさる方がいらっしゃいます。

患者様の個人差にもよりますが、直接灸に関しては熱の強弱を感じやすいと思うのですが、特に「間接灸」「灸頭鍼」による持続的な暖かさには“低温やけど”の恐れ、また“灸あたり”という症状が出現する恐れがあり、刺激量過多でかえって症状を悪化させてしまうことが考えられます。ひどく痛く感じたり、熱く感じたりした場合は、あまり熱に我慢せずにお申し出ください。

上記を踏まえた上で細心の注意を払っても、肌が敏感で弱い方や体質により、やけどをしてしまうことがあります。特に糖尿病等を煩っている方はご注意ください。また灸跡が人目に気になる箇所等に不安がある方はご注意ください。当治療室ではやけど・灸跡等の灸に関するリスクに関して、患者様に説明・確認し、同意を得て実施していきます。

あんまとマッサージと指圧は何が違うのですか?

基本的な違いに以下が上げられます。

  あんま マッサージ 指圧
実施方法 布を介して実施 直接肌に触れる 布を介して実施
潤滑剤 使用しない 使用する 使用しない
実施方向 遠心性 求心性 遠心性
手技の方法 施術部位を揉む手技が多い 施術部位を滑らせながら擦る・揉む 施術部位を押す・関節を動かす

あくまで私の考えでありますので、ご参考までに表記させていただきました。あんま・マッサージ・指圧を専門的に治療・施術されている先生もいらっしゃいますが、呼び名はあんま・マッサージ・指圧でも、複合的に手技が混在している場合があります。

基本的にみなさまの症状は個々それぞれ異なるため、みなさまのニーズに合わせた施術をさせていただきます。いろいろな手技を組み合わせながら、症状の改善に努めていきたいと存じます。

鍼灸とあんまはどちらが効きますか?

私自身、患者様からお任せされるケースがあるのですが、どちらもそれぞれ良い点があります。その点で参考までに記述させていただきます。

「鍼灸」は、針を刺す・灸を据えることにより、皮膚や筋肉に細かい傷をつくります。施術をしている時間だけに刺激を受けるだけだと思われがちなのですが、施術によって生じた細かい傷を修復するということが、身体に取っていい刺激になるのです。ですから施術によって生じた細かい傷が修復されるまでの時間が、身体に対して刺激を受けているということになります。

また体内においては細かい傷を治すために、免疫系・循環器系・自律神経系など様々な機能が高まるのです。また深部に対する直接にアプローチができるといった点です。筋肉は何層にも重なっている部分があるため、深層にある筋肉への刺激に有効な手段と言えます。

「あんま」は慢性的な症状や痛みを伴わない筋肉疲労の方に有効な手段だと感じます。表層の筋肉を揉むことにより症状の緩解、血流の改善を図ることを目的に実施していきます。よって鍼灸とは違う指での刺激が得られます。

治療後の刺激の持続時間についても、書物においてはまちまちです。あんま・マッサージ・指圧では深部に対してのアプローチは、患者様の状態(特に骨粗鬆症等により骨折等の危険性がある)により身体への負担が大きいため、なかなか難しいところがあります。

良い治療効果を導きだせるように、患者様とお話を伺いながら施術方法を選択できたらと考えています。

治療後の入浴は・・・

特に問題ないと言われています。ですが、施術直後の身体には治療による反応が起きている状態であるため、さらに助長してしまうため身体に対する負担が大きくなってしまうことがあります。

入浴前に少し時間(1時間以上。血圧等に不安のある方はより長め)をおいて、入浴時間はいつもよりも短めにしてお休みになされることが、より治療効果を高めます。

特に体が弱い方や初めて施術を受けられた方は、施術による体力の消耗が大きくなると考えます。ご注意ください。

施術後の飲酒は・・・

飲酒に関しては控えた方がよろしいと考えます。どうしても我慢のできない方は350mlの缶ビールを1本程度にしてください。多量の飲酒は血液の循環を高めてしまい、身体への負担を高めると考えます。

入浴の項でも記述いたしましたが、身体に対する負担が大きくなってしまうため、特に体が弱い方や初めて施術を受けられた方は、施術による体力の消耗が大きくなると考えます。ご注意ください。施術日当日は私の経験上、さぞお酒も美味しく飲めると存じますが、ゆっくりとお身体を休ませていただけると施術の効果も高まるでしょう。

間隔はどのくらいが良いですか・・・

患者様から一番多い質問ではあります。急性期に発祥した痛みや症状が強い場合は間隔を詰めて、慢性的な痛みや症状は施術効果が持続している状態の間に来室していただけるのが、一番よろしいかと思います。

身体には利き手や利き足があるように、力の出しやすい方向や向きやすい方向、見やすい目や人との会話での立ち位置等、感覚や姿勢などを中心として、自分のパフォーマンスを発揮できる状態があります。

しかしその状態はハード的なものなどいろいろな影響により、ある意味でくせとして、自分のやりやすい方向に身体が順応してきます。そしてその負担が蓄積し、信号として症状に現れるのです。間隔が空きすぎると症状は良い状態に向かわずに、施術後は疲れや主症状が取れても、回復まではいたりません。前回の施術時と同じ状態になる前に、施術をいただけることをおススメいたします。

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