機能訓練指導員時代

私は開院前に特別養護老人ホーム・デイサービスにおいて、機能訓練指導員として働いて参りました。きっかけは施設における方々はどのような生活をしているのか?機能訓練とはどのようなものをしているのだろうか?超高齢社会に対しての対応(施設の生活を踏まえて在宅生活)をどのようにしていき何ができるのか?ということです。

機能訓練指導員での仕事としては、利用者各位のニーズ・現状に応じて、指導者として利用者の現状を維持してくために必要な訓練を提供する“実施”と、その実施していることを冷静に客観的に検査・調査を行っていく“評価”という、二種類の仕事をしてきました。

当時特別養護老人ホーム全体の機能訓練に対して、システムが始まったばかりで、どのようにしていけば良いのか?考えていました。その答えとして個別機能訓練をメインに、特別養護老人ホームとういうことは関係なく、人が人を見ていくわけで、今できるベストまたはベターな訓練内容を、認知症に対するアプローチも含め、利用者の状況を判断しながら、訓練を提供してきました。

デイサービスに移動してからは、いかにご家庭の生活に反映できるのかという点に重きを置いて、「買い物に一人でいきたい。」等、利用者方のニーズにより応用的な訓練に従事してきました。いかにケガをさせずに在宅でのパフォーマンスを維持していきながら、利用者の生活の確保とそのご家族の介護負担の軽減を目的にじっししておりました。

あと個別機能訓練は利用者の方が実施するのか実施しないのか選択制なので、実施する・しないも含め、いかに集団的なレクリエーションに、その方のポテンシャル・パフォーマンスを合わせていけるのかも重要と考えています。

とっさに出てくる行動にその方の性格や姿勢等の日常生活に近い行動や、とっさにおける状況判断における怪我・転倒等のリスクに対する適応力が発揮されると考えられるからです。レクリエーションには自分自身が直接携わることはありませんでしたし、毎日すべて見ることはできませんでしたが、これも“評価”の重要なポイントの一つと考えて確認しておりました。

大事なこととして、訓練でも生活風景の中でも、「いかに早い段階で気づいてあげられるのか。」ということが重要と感じています。認知症の度合いから姿勢・動作はもちろん、しぐさ・雰囲気等、利用者方が普段と違うことに気づいて対処をしていくのか気づかないで通過してしまうのかで、以降の対処・対応が変わっていきます。

特に高齢者は機能の低下が速く進行するケースが多いため、初期で改善できればまだよいですが、中期・長期と進行すると状況は厳しくなってきます。もちろん対処をしても結果として難しいことが多いですが、まずはトライすることが重要なのだと感じ、現在の教訓として活きています。

今日できることが、明日できるかどうか分からない状況が強い環境の中で、ADL(日常生活動作)を中心とした日々の積み重ねの重要性と在宅時生活での生活スタイルが、在宅生活の確保と介護者・介助者の生活に大きな影響を与えていきます。【Re】とは再びという意味ですが、再び能力を獲得することの難しさを感じながら、仕事に向き合ってきました。

機能訓練指導員としての仕事を通じ、療法士の先生方、車椅子等の福祉用具の営業の方々、ホームに携わる職員等、内外関係なく現状使用できるサービス利用者のみなさまに対し、何をしたら良いのかディスカッションしたことや実施してきたことが、非常に大切な経験になりました。

“今”を大事にして一日一日をどのように過ごしていくか、考えさせられる毎日でしたが、その経験を踏まえて高齢社会において、みなさまの心と身体の健康のお手伝いができればと考えています。

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